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ロゴの商標検索方法とは?文字ロゴと図形商標の調べ方を弁理士が解説

ポイント:会社、商品又はサービスのロゴを決めるときは、デザインを確定する前に、同一又は類似する先行商標がないかを確認します。

ロゴには、文字を特徴的なフォントで表したもの、文字を含まない図形、文字と図形を組み合わせたものがあります。ロゴの構成によって、検索すべき内容も異なります。

日本の商標の出願・登録情報は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で無料検索できます。本記事では、特に図形商標について、J-PlatPatの「図形等分類表」を使う方法を解説します。

1. ロゴの構成によって検索方法を選ぶ

ロゴ検索の基本的な使い分けは次のとおりです。

ロゴの構成主に行う検索
読み取れる文字を図案化したロゴ文字、称呼による検索
文字を含まない図形図形等分類による検索
文字と図形を組み合わせたロゴ文字検索と図形検索の双方

文字として読み取れるロゴは、書体や装飾に特徴があっても、まず文字と読み方を検索します。文字の変形が強く、図形としての印象も大きい場合は、図形検索も併用します。

図形のみのシンボルマークは、検索に使える文字がないため、図形の視覚的な特徴に対応する「図形等分類」を利用します。文字と図形を組み合わせたロゴは、文字部分と図形部分を分けて検索します。

2. ロゴはデザインを決める前に検索する

ロゴを制作しただけでは、商標権は発生しません。日本で商標権を取得するには、特許庁へ商標登録出願を行い、審査を経て登録を受ける必要があります。

自社が先にロゴを制作又は使用していたという事実だけで、他人の登録商標に対して当然に使用を継続できるわけではありません。ロゴと商品・サービスが他人の登録商標と同一又は類似する場合は、商標権侵害が問題となる可能性があります。

デザインの確定後に問題となる先行商標が見つかると、商品パッケージ、広告、看板、ウェブサイトなどの変更が必要になることもあります。そのため、候補を絞る段階で文字と主要な図形を検索し、最終デザインが固まった段階で、実際のロゴと使用予定の商品・サービスを対象に再調査する方法が適切です。

3. 文字を図案化したロゴの検索方法

文字として読み取れるロゴについては、通常の商標検索を行います。アルファベットで表されたロゴであれば、アルファベット表記だけでなく、想定されるカタカナの読み方も調べます。漢字、ひらがな、カタカナ、英字など、複数の表記が考えられる場合は、それぞれが検索対象です。

主に確認するのは、次の事項です。

  • ロゴに含まれる文字
  • ロゴから生じる称呼
  • 同一又は類似する称呼
  • 指定商品・指定役務
  • 商品・役務に付された類似群コード

特徴的なフォントを使用していても、同じ名称や読み方の先行商標があれば、文字部分が問題となることがあります。書体を変更しただけで、当然に別の商標として扱われるわけではありません。

具体的な文字・称呼検索の方法は、当所「J-PlatPatを使った商標検索の方法」で解説しています。

4. 図形商標をJ-PlatPatで検索する方法

図形のみのロゴは、J-PlatPatの「図形等分類表」で図形の特徴に対応する分類を調べ、その分類を使って商標検索を行います。図形等分類は、商標に含まれる図形的要素を、カテゴリー、ディビジョン、セクションなどの階層に整理した検索用の分類です。

ここでは、幹、枝、樹冠を含む「桜の木」全体を描いたロゴを想定します。桜の花だけ、花の付いた枝だけなど、実際の構成が異なれば、検討する分類も変わります。

図形等分類表を開く

J-PlatPatの画面上部にある「商標」メニューから、「図形等分類表」を選択します。図形等分類表では、分類の階層をたどる「図形等分類照会」と、言葉から候補を探す「キーワード検索」を利用できます。

J-PlatPatの図形等分類表の初期画面
【図1】図形等分類表の初期画面出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp

「図形等分類照会」から探す

「図形等分類照会」では、大きなカテゴリーから具体的な分類へ順に絞り込みます。「桜の木」のロゴであれば、植物に関するカテゴリーを開き、木又は樹木に関する分類を確認します。

分類は「桜」という名称だけで決めず、実際に描かれている要素を基準に選びます。木全体、枝、花、葉、複数の木、背景の円や枠などは、それぞれ別の図形的要素として検討します。

J-PlatPatの図形等分類照会で植物に関するカテゴリーを開いた画面J-PlatPatの図形等分類照会で木・樹木に関する分類を展開した画面
【図2】「図形等分類照会」で植物に関する分類を展開した画面出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp

「キーワード検索」から探す

階層から分類を探しにくい場合は、「キーワード検索」を利用します。まず「桜の木」と入力し、表示された候補を確認します。適切な候補が見つからない場合は、「桜」「木」「樹木」「花」「枝」のように、ロゴの構成要素を分けて検索します。

検索結果では、分類名だけでなく、上位・下位の階層や説明も確認し、実際のロゴに合う分類を選択します。

J-PlatPatの図形等分類表で「桜の木」をキーワード検索した画面
【図3】「桜の木」をキーワード検索した画面出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp

図形等分類と類似群コードを入力する

確認した図形等分類は、J-PlatPatの商標検索画面に設定します。図形等分類表から「商標検索にセット」できる場合は、その機能を利用します。手動で入力する場合は、「商標(マーク)」欄で「図形等分類」を選択し、分類コードを入力します。

図形等分類だけでは、多数の商標が表示されることがあります。そのため、「商品・役務」欄に、ロゴを使用する商品・サービスの類似群コードを加えます。類似群コードは、J-PlatPatの「商品・役務名検索」で、商品又はサービスの名称から調べられます。

J-PlatPatの商標検索画面で図形等分類を入力した画面J-PlatPatの商標検索画面で類似群コードを入力した欄
【図4】図形等分類と類似群コードを入力した商標検索画面出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp

検索結果一覧と個別案件を確認する

検索結果一覧に近いロゴが表示されたら、画像だけで判断せず、個別案件の詳細情報を開きましょう。確認する主な情報は、商標画像、称呼、出願人・商標権者、指定商品・指定役務、類似群コード、図形等分類、出願・登録の状態です。

検索結果には、登録商標だけでなく、審査中、拒絶、取下げ、権利消滅などの案件が含まれる場合があります。似た図形が表示されたときは、その案件が現在どのような状態にあるかも確認します。

J-PlatPatで表示された図形商標の検索結果一覧
【図5】図形商標の検索結果一覧出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp

分類を選ぶことが難しい場合

抽象的な図形や、複数のモチーフを組み合わせたロゴでは、「図形等分類照会」や「キーワード検索」だけで適切な分類を選べない場合があります。

その場合は、J-PlatPat上で公開されているINPIT「Global Brand Database画像検索を活用した図形商標検索マニュアル」を参照することをおすすめします。

同マニュアルでは、画像検索から似た図形に付与された分類を確認し、その分類をJ-PlatPatでの検索に活用する流れが説明されています。

5. 文字と図形を組み合わせたロゴの検索方法

文字と図形を組み合わせたロゴは、それぞれを別に検索した後、ロゴ全体の構成も確認します。検索の流れは次のとおりです。

  1. 文字表記と称呼を検索する
  2. 図形部分に対応する図形等分類を調べる
  3. 図形等分類と類似群コードを組み合わせて検索する
  4. 文字と図形の配置を含む全体的な印象を比較する

ロゴ内の文字が小さくても、特定の名称や読み方が認識される場合は、文字検索の対象に含めます。一方、文字検索だけでは、文字を含まない類似図形を見落とす可能性があります。

6. 検索結果を判断するときの注意点

図形等分類は、共通する図形的要素を持つ商標を探すための検索コードです。同じ分類が付されていても、二つの商標が法律上類似するとは限りません。

商標の類否を検討するときは、図形の輪郭、構成、配置、文字の有無などを比較します。文字を含む場合は、外観だけでなく、称呼や観念も考慮します。完全に同じロゴが見つからなくても、主要なモチーフや配置が共通し、全体として近い印象を与える商標が問題となる場合があります。

ロゴの類否だけでなく、指定商品・指定役務の関係も確認が必要です。区分番号が異なることだけで、商品・役務が非類似になるとは限りません。

J-PlatPatへの情報反映には時間差が生じることもあります。検索結果がないという理由だけで、問題となる先行商標が存在しないと断定することはできません。

7. 図形商標の検索を弁理士へ依頼する場面

図形商標の検索では、ロゴのどの部分を主要な特徴として捉えるかによって、選択する図形等分類や検索結果が変わります。次のような場合は、ロゴを確定する前に弁理士へ相談することが有効です。

  • 企業又は商品の主要ブランドとして使用する
  • ロゴ制作や広告に相当の費用を投入する
  • 抽象的な図形や複数のモチーフを含む
  • 検索結果が多く、問題となる案件を選別できない
  • 登録可能性と使用による侵害リスクの双方を確認したい
  • 海外での使用又は商標登録出願を予定している

弁理士による調査では、ロゴを構成する文字と図形を分析し、複数の称呼、図形等分類、商品・役務の条件を組み合わせて検索します。

先行商標が見つかった場合も、直ちにロゴ案を廃棄するとは限りません。図形の修正、文字と図形の配置、出願する商標の構成、指定商品・指定役務の範囲などから、採用可能な方向を検討できる場合があります。

8. まとめ

文字を図案化したロゴは、文字と称呼を検索します。図形のみのロゴは、J-PlatPatの図形等分類表で分類を調べ、類似群コードと組み合わせて検索します。

分類の選定や検索結果の評価が難しい場合は、デザインを確定する前に弁理士へ相談することが有効です。

弁
この記事の監修者
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
弁理士 八谷 晃典

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