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知的財産権とは?

知的財産権とは?

知的財産権とは、下記の図に示すように、特許権、実用新案権、意匠権、商標権からなる産業財産権に、著作権等を加えた権利の総称をいいます。また、知的財産は、土地・建物・宝石等とは異なり形がありません。そのため、知的財産権は「無体財産権」ともいわれます。

このような知的財産権は、世界的な経済の発展およびボーダーレス化により、日本や欧米のような先進国のみならず、発展途上国においても重要視されており、パリ条約やTRIPS協定等の条約によって保護が強化されています。

なお、下記の図において、不正競争防止法以外の法律では、特許権、商標権、著作権など「○○権」を設定し、これを保護するというシステムを採用しています。一方、不正競争防止法では、一定の行為を不正競争行為とし、不正競争行為をされた者を保護する、というシステムになっています。

また、意匠権は「登録から15年」となっていますが、2007年4月1日より、「登録から20年」に変更されます。

 

 

※特許庁ホームページより引用

 

知的財産権の特質

以下では、知的財産権の活用、侵害に対する手段及び知的財産権の維持という観点から、知的財産権の特質について説明します。

知的財産権の活用

知的財産権は財産権の一種であることから、所有権について定めている民法206条の適用を受けます。そのため、権利者は、法令の制限内において、自由にその知的財産権の使用、収益及び処分をする権利を有します。
したがって、知的財産権が設定された場合には、原則として、他人からとやかく言われることなく、特許発明等を自由に使うことができます。
知的財産権を他人に貸す、すなわちライセンスをすることも原則として自由です。さらに、知的財産権に担保を設定してお金を借りることもできます(質権)。そのうえ、知的財産権を信託に供して資金を調達することもできます。
知的財産権を放棄すること、ならびに、他人の譲渡(売り渡す)することも原則として自由です。
このように、知的財産権を取得したら、原則として自由に使用・収益・処分が可能であり、これらを通じて開発資金の回収や利益を上げることが可能となります。

侵害に対する手段

知的財産権は形のある有体物と異なり、同じ発明等を、同じ時期に、別の人が使用することが可能です。そのため、知的財産権の侵害は比較的容易に行うことができるのに対し、その発見には困難が伴います。これが知的財産権侵害の問題の解決を困難にしている原因の一つです。
そのため、知的財産権に対する侵害に対しては、様々な規定が法律上設けられています。
他人が自分の知的財産権を侵害することがわかった場合、通常は配達記録付き内容証明郵便によって警告書を送付します。そうすると、侵害者から回答書がやはり配達記録付き内容証明郵便によって送られてくるのが通常です。この回答書に納得した場合には、それで問題は解決します。しかし、回答書に納得できない場合は、再度警告書を送付するか、あるいは直接訴訟を提起することになります。

訴訟は、特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作権に関する訴訟は、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所に提起しなければなりません(専属管轄)(民事訴訟法6条1項)。その他の知的財産権の侵害訴訟は、どの地方裁判所に対しても請求することができますが、上記以外の知的財産権の侵害に関する訴訟は東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも提起することができます(民事訴訟法6条の2)。これは、東京地方裁判所と大阪地方裁判所は取り扱う事件の数が多く、知的財産権訴訟に慣れているためです。

訴訟の種類は、大きく分けて、現在および将来の侵害行為をやめさせることを目的とする差止請求訴訟と、過去の侵害行為によって被った損害を填補してもらう損害賠償請求訴訟があります。

知的財産権の維持

知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、育成者権については、一定の金額を支払うことを条件として設定登録がなされることになっています。
そして、特許権、実用新案権、意匠権、育成者権については、原則として毎年一定の金額を支払わないと、権利の存続期間が満了する前に権利が消滅してしまいます。この毎年支払う金額のことを、一般に「年金(annuity)」と言っています。

そのため、権利を存続期間満了まで維持したい場合には、毎年年金を支払わなければなりません。なお、年金は複数年度分を一度に支払うことも可能です。

商標権の場合は年金という制度はなく、設定登録前に支払う金額により、通常は10年間権利が存続します。そして、更新登録料を納付することを条件として、10年後さらに存続期間を10年間更新することができます。商標には営業上の信用と結びついているため、存続期間が満了したからといって誰もが使用することができるようにすると、市場が混乱する場合があるからです。つまり、商標権は更新を繰り返すことにより、永久に存続させることができるのです。

著作権及び回路配置利用権については、このような年金や更新登録料を納付する必要はありません。そのため、権利が発生してから存続期間が満了するまで何も行う必要はありません。

 

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